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GEキャピタルと日経リサーチ 2014年下半期「中堅企業調査」報告書を発表

景況感はやや悪化、最大の経営課題は人材の確保・維持 4割の企業が消費税8%でマイナス影響

GEキャピタル(東京都港区)と株式会社日経リサーチ(東京都千代田区)は、日本の中堅企業に関する共同調査「中堅企業調査」を実施し、その結果を発表しました。

「中堅企業調査」は年間売上高10億〜1,000億円の企業を中堅企業と定義し、その経営者や経営幹部を対象に実施する調査です。第1回調査は2014年3月に実施、結果は5月に公表しました。今回は第1回の半年後にあたる2014年9月に実施した第2回調査です。第1回と同じく、調査報告書にはGEキャピタルが米国で実施した調査結果を用いた日米比較も含まれます。

日本の中堅企業は企業数では日本企業全体の約2%に過ぎないものの、従業員総数の約2割、総売上高の約4割を占めるなど、経済を支える重要な担い手です。「中堅企業調査」は、これら企業の経営者の景況感や経営課題を確認するほか、その存在と役割の重要性を広く知らしめ、中堅企業全体の底上げを図ることを目的としています。

調査報告書の要旨は以下の通りです。
(※下記URLから、グラフ入りのプレスリリースPDFがダウンロード可)

要 旨
第1回「中堅企業調査」は消費増税直前の2014年3月に行われた。アベノミクス効果で円高と株安が解決し、企業を取り巻く環境は好転したとする見方が広がっていた時期であり、調査結果からも世界経済や日本経済の景況感は良好といった様子がうかがえた。今回の調査はそれから半年後の2014年9月に実施され、消費増税前の駆け込み需要とその反動減の両方を経験した経営者の声を確認することができた。

景況感および今後の見通しは、日本経済、世界経済ともに、良い/良くなるとの回答が減少し、慎重な見方が広がっている。そのような中、多くの企業は新規事業よりも既存事業の強化を収益拡大に向けた成長戦略としているようだ。また、優秀な人材を確保し、維持することが、前回調査に引き続き最も大きな経営課題であることが判明した。人材の質と数の両面で懸念を示す企業は前回から増加している。

消費税の8%への増税については、マイナス影響があったとする回答は全体の4割にとどまり、半数を下回った。ただし10%への増税に対しては全体の6割弱がマイナスの影響を及ぼすと予測している。

景況感は引き続きおおむね良好もやや悪化。1年後の見通しは慎重な見方が増加。

現状(2014年9月時点)を前年同期と比べると、世界経済は3割、日本経済は4割が良くなったとみているが、半年前の調査よりも比率は低下している。現状と比べた今後1年の見通しも同様で、日本経済に対する景況感は前回調査では4割が良くなるととらえていたが、今回は3割強に下げており、先行きを慎重にとらえている様子がうかがえる。

自社の2014年度売上高も前回調査では6割が2013年度比で増加するとしていたのに対して、今回は5割にとどまった。

最大の経営課題は優秀な人材の確保と維持。増収を継続させることも重要な課題。

優秀な人材を確保し、その人材を教育・訓練し、さらに自社に引き留めることは、中堅企業が直面する最大の課題として、前回調査に引き続き今回も最も多くあげられた。成長戦略における内部的な課題や海外進出における課題でも人材問題は筆頭にあげられる。

増収を維持することも中堅企業にとっては重要な課題だが、日本のみならず、米国の中堅企業でも上位の課題としてあげられている。ただし米国中堅企業の課題のトップは「社会保険に関するコスト」。日米の意識や制度の違いを反映した結果といえる。

雇用状況で人材不足感が上昇。人員不足への懸念が広がる。

前年同期と比べた自社の雇用状況や今後1年間の見通しでは、4割の企業が人材不足を感じている。前回調査から上昇しており、人員確保は明らかに難しくなっていると言える。

人員確保のために正社員の賃金ベースアップや賞与支給額アップを実施した企業の割合は6割弱。パート・アルバイトや派遣社員の正社員化も3割が実施するなど、人員確保に向けて様々な対策が採られているようだ。

中堅企業の成長戦略は既存事業の維持・拡大。

既存事業の維持・拡大を成長戦略と考える中堅企業は7割強。成長戦略を実現する方法は4割が既存製品・サービスの向上・拡大と考えている。他社との連携や買収をあげた企業も2割程度存在し、その連携・協業先としては自己と同等の中堅企業や大企業とした回答が合計で4割に達した。

8%消費増税のマイナス影響は4割。10%消費増税に対しては6割弱の企業がマイナス影響を予想。

8%への消費増税のマイナス影響は全体では4割にとどまるが、個人顧客を主体とする中堅企業に絞ると6割弱に高まる。10%への消費増税に対するマイナス影響は全体で6割弱だが、同様に個人顧客を主体とする中堅企業では7割強となり、企業戦略への影響が懸念される。

政府に期待するのは法人税改革と少子高齢化対策。

2015年度に向けて政府が取り組むべき課題として4割強の中堅企業が法人税改革、少子高齢化対策をあげている。地方経済再生や財政健全化は4割弱、雇用対策や電力安定化は3割弱であった。

調査について
株式会社日経リサーチが保有する企業データベースより、売上高10億円以上1,000億円以下の株式会社、有限会社、合名・合資・合同会社10,000社を抽出し、郵送調査を実施した。調査期間は2014年9月1日から9月18日。有効回答は1,212社だった。
本調査の企業属性については本編で触れている通りだが、各企業の回答者は社長、CEO、COOが25%、その他の役員が36%で、これらの会社役員が回答者全体の6割超を占めている。
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GEキャピタルについて
GEキャピタルは、米GE(ゼネラル・エレクトリック)の金融部門として、不動産、設備、在庫品をベースにしたファイナンス、車両管理、運転資金ファイナンス、企業買収・リファイナンス・リストラクチャリング向け資金ファイナンスなどを法人顧客に提供するほか、クレジットカード、ショッピング・クレジット、住宅・自動車ローン、パーソナルローンなどを個人顧客に提供しています。日本では、設備・資産リース、自動車リースおよび車両管理、法人向け融資、不動産向け投融資、個人向け金融などの金融サービスを提供しています。日本におけるGEキャピタルは、日本GE株式会社の社内カンパニーです。

日経リサーチについて
日経リサーチは、企業活動や消費行動に関するあらゆるニーズに詳細な実用情報でお応えする日本経済新聞社グループの総合調査会社です。公正な立場に立った、社会的価値の高い情報サービスの提供、日経各紙・各メディアに掲載される内閣支持率や社会動向に関する世論調査、ミクロからマクロまで広範囲にわたる経済情報、企業・産業界や消費者の動向など多様な情報を扱っています。また、海外でのマーケティングリサーチに力を入れており、これまで20年以上にわたり実施した海外調査プロジェクトは、世界54カ国・地域に上ります。
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